Top Experience 炭火が結ぶ、素材と人と季節——ジャヌ東京「SUMI」が描くコンテンポラリー炭火焼きの世界
炭火が結ぶ、素材と人と季節——ジャヌ東京「SUMI」が描くコンテンポラリー炭火焼きの世界

炭火が結ぶ、素材と人と季節——ジャヌ東京「SUMI」が描くコンテンポラリー炭火焼きの世界

麻布台ヒルズの夜景と、遠く輝く東京タワーの赤い灯。その眺望を静かに背負いながら、炭火の熾る音だけが空間に低く響く。ジャヌ東京に佇む炭火焼きレストラン「SUMI」では、日本の伝統的な調理法が、現代の美意識と交差する瞬間がある。

"繋がり"を体現する場、ジャヌ東京という空間

アマングループが世界で初めて立ち上げた姉妹ブランドホテルとして、2024年に誕生したジャヌ東京。東京・麻布台ヒルズに構えるこのホテルが掲げるのは、「繋がり」というコンセプトだ。人と人、食と酒、文化と現代——それらが交差する場をつくることが、ジャヌ東京の根幹にある。

80の客室と7つのレストランを擁するこのホテルの中でも、SUMIはとりわけ独自の体験を宿す場所として位置づけられている。炭火焼きという日本古来の調理法を、コンテンポラリーな解釈でゲストへ届ける。カウンター13席のみという凝縮された空間が、料理人とゲストの間に生まれる緊張と信頼を際立たせる。

その場所の主役は、料理長・大塚久輝氏だ。1975年、東京生まれ。インターコンチネンタル東京ベイ「なだ万」をはじめ、パーク ハイアット東京「梢」などで日本料理の精髄を磨いた。さらに10年以上にわたり、亀有の「吟八亭 やざ和」で蕎麦にも真摯に向き合い続けたという経歴が示すように、大塚氏の料理への姿勢は、一方向ではなく、日本の食文化の奥行きを広く吸収してきたものだ。2024年のジャヌ東京開業とともに、SUMIの料理長として厨房に立つ。

引き算の美学。炭火が素材に語りかけるとき

「極力味をつけず、炭の香りを纏わせるシンプルな調理法で、素材の良さを活かす」——大塚氏が語るSUMIの哲学は、引き算の美学に貫かれている。

長崎をはじめとした各地から産直で届く旬の素材は、余計な手を加えることなく炭火へと委ねられる。炭が持つ高い燻香こそが、この厨房における最大の表現手段だ。外側はパリッと香ばしく、内側は驚くほどしっとりと——そのコントラストは、フライパンや蒸気では到達できない炭火だけの領域にある。

カウンター13席で供されるおまかせコース「燈(ともしび)」は、その哲学が凝縮された一夜だ。一皿ごとに異なる表情を見せる炭の仕事。変わりつくねに葱塩とキャビアを重ねた「炭遊び」のような遊び心ある一品から、黒毛和牛サーロインを朴葉に包んで焼き上げる豊かな一皿まで、季節と素材が物語を紡いでいく。菊芋などの根菜が持つ自然な甘みや旨みをそのままに届ける野菜料理もまた、炭火という媒介を通じて、新たな輝きを帯びる。

一方、テーブル席では「おまかせ 集(つどい)」と題したコースも展開している。季節の前菜から二段重、黒毛和牛の炭火焼、釜炊きご飯、そして炭香るデザートへと続く流れは、大切な人との「集い」を豊かに彩るために設計されている。カウンターの研ぎ澄まされた緊張感とは異なる、温かく開かれた食卓がそこにある。

五感で満たされる、一期一会の体験

SUMIが大切にしているのは、「五感で感じる体験」と、「ここでしか味わえない一期一会の世界」だ。料理と空間、そしてサービスが一体となってゲストを包み込む——それがジャヌ東京の「繋がり」というコンセプトを、最も具体的に体現している場所でもある。

海外からのゲストも多いジャヌ東京では、プレミアムワインや日本酒とのペアリングも食事の重要な一部として組み込まれている。なかでも日本酒への関心は年々高まっており、大手銘柄だけでなく、こだわりを持つ小規模な蔵の酒を選び抜いてゲストに届けることも、ホテルとしての使命として位置づけられている。SUMIのカウンターでは、選び抜かれた日本酒が、炭火料理の繊細な香りや旨みと静かに響き合う。ある夜のコラボレーションディナーでは、日本酒ブランドMINAKIとの特別な一夜が設けられ、料理と酒が織りなす多層的な体験が生まれた。

サステナビリティへの視点もSUMIの料理哲学に息づいている。食材の未活用な部分にも価値を見出し、創造性を持って料理に組み込む姿勢は、大塚氏が「伝統と革新の調和」と表現するSUMIのあり方そのものだ。

炭火の余韻が、記憶になる夜

食事を終えてホテルを後にするとき、炭の香りがどこかに残っているような感覚がある。それは錯覚かもしれないが、SUMIで過ごした時間がそれほど深く身体に刻まれたということでもある。

料理と酒、空間と人との繋がりが生む豊かさ——大塚料理長が言葉を選びながら語ったその一文が、SUMIという場所の本質を最もよく言い表している。炭火は、素材に語りかけ、空気に香りを宿し、そしてその夜だけの記憶をゲストの中に残していく。

東京タワーを望む麻布台の夜、「SUMI」のカウンターに腰を下ろすとき、それはただの食事ではなく、日本の美意識と出会うための旅の入口になる。

ジャヌ東京 SUMI

伝統的な炭火焼きをコンテンポラリーにアレンジしたSUMIでは、その臨場感を楽しめるカウンター13席にて、クリエイティブなおまかせコースをご賞味いただけます。 東京タワーや麻布台ヒルズのイノベーティブな都心の景色をのぞみ、炭火で調理する新鮮な旬の食材の香りや味わいを五感で味わいながら、プレミアムワインや日本酒とのペアリングもご堪能ください。 〒106-0041 東京都港区麻布台1-2-2

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